飛行機が飛行する上で欠かせない力は【揚力(Lift)】.揚力は機体全体で発生するがその大部分は主翼が発生する.
飛行機に発生する揚力のメカニズムについては後述.ここでは主翼の配置と主翼に装備される操縦に使用される操縦舵面についてまとめる.
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主翼の配置について
1903年にライト兄弟が世界初の有人動力飛行を行った際の機体には,2組の主翼が備わっていた.一方,最近の機体の主翼は1組の主翼が多い.
- 2組の主翼を備える機体を,複葉機(Biplane).
- 1組の主翼を備える機体を,単葉機(Monoplane)
と呼ぶ.
近年では単葉機が一般的だが,一部,エアロバティクスの大会やエアショーなどでは複葉機も見ることができる.
また,飛行機を前から見て主翼が胴体に対してどの位置に取り付けられているか,位置によっても分類される.
- 胴体の上側に取り付けられた機体を,高翼機(High Wing)
- 胴体の中部に取り付けられた機体を,中翼機(Mid Wing)
- 胴体の下部に取り付けられた機体を,下翼機(Low Wing)
と呼ぶ.翼の取り付け位置については,飛行機の安定性に影響がある.これについては後述.
主翼に配置される操縦舵面の種類と使い方
小型の飛行機の主翼に装備される操縦舵面としては,
- フラップ(Flap)
- エルロン(Aileron)
フラップ(Flap)
フラップが装備される目的
離陸や着陸の時を含めて飛行機が低速で飛行する場合に揚力を増やすために使用する.
フラップの操作方法
フラップは飛行機が飛ぶ速度に合わせて展開する角度を10°から30°までの3段階で選ぶことができる(機種による).展開の角度はフラップレバーの位置によって決定する.
エルロン(Aileron)
エルロンが装備される目的
エルロンは,これを上下に動かすことにより翼に発生する揚力を左右で変化させることで機体を傾け,機体を旋回させるためのもの.
エルロンの操作方法
操縦桿を左に傾けると左に旋回し,右に傾けると右に旋回を開始する.